東京築地の老舗包丁店 東源正久
COLUMN2022.09.06

中厚牛刀

今回は、魚河岸や食肉加工場などの現場で活躍する中厚牛刀のご案内です。

中厚牛刀 一枚鋼 V銀1号鋼 鍔無

通常の牛刀と型は変わりませんが、厚みが倍ほどある両刃の洋包丁です。
サイズは、8寸(240mm)〜尺二(360mm)までと幅広く、色々な場面で重宝されています。

使用鋼材「V銀1号鋼」は一般にはあまり出回っていない鋼材です。
セミステンレスのため純粋な鋼より錆びにくく、鋼に近い“研ぎやすさ”“切れ味”“刃持ち”を兼ね備えた、「炭素鋼」と「ステンレス鋼」双方の優れた部分を併せ持つ優秀な鋼材です。
※濡れたまま放置していると錆びは生じますのでご注意ください。

この鋼材の最大の特徴は脂滑りしにくい点です。
元々は食肉関係で多く使われていた鋼材ですが、脂の強い魚体を扱われることの多い大物業界(鮪商)のお得意様との会話から「肉の脂に強いのなら鮪の脂にも強いのでは?」となりお試し頂いたところ、使い勝手が良いと高評価を賜りご愛用いただく様になりました。
魚商では魚を卸したり切り身にしたり、鮪商に至っては卸から柵どりにまでもご利用いただいています。
刃付けの加減によってはある程度の骨までならばたたきにも使え、とても汎用性の高い製品です。

刃付けは、一枚鋼ですので通常は両刃ですが、片刃よりの刃付けも可能です。
※魚の卸し易さやあとのご自身での研ぎ易さから、片刃を好まれる方が多いようですが、たたきにご多用の場合には両刃をお薦めするなど、お客様とご相談しながら仕上げています。
片刃の場合のシノギ幅、角度も調整可能ですのでお気軽にお申し付けください。

和包丁の片刃の出刃より厚みが薄く、重量も軽いため「慣れると使いやすい」とご好評いただいています。

是非この機会に一度ご使用いただければと思っております。
オンラインショップはこちらから↓
https://www.tokyo-masahisa.co.jp/

築地本店、豊洲市場店両店舗にご用意がございますので、バランスなど実際にお確かめいただけます。
皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。