東京築地の老舗包丁店 東源正久
COLUMN2022.08.04

蕎麦切包丁、うどん切包丁

今回は蕎麦切、うどん切など麺打ち用の包丁についてのお話しです。

蕎麦切包丁

蕎麦切包丁は写真のように片刃の和包丁の中でも特殊な型になっています。
江戸時代にはすでに関東で、蕎麦切専用の包丁として造られていたそうです。
刃道は真っ直ぐで刃が柄(持ち手)と同じぐらいまで伸びているのが特徴です。

うどん切包丁

うどん切包丁は正式なものはありませんが、写真のように蕎麦切包丁よりも少し小さめで軽い傾向にあります。
通常は両刃が一般的ですが、現在当店に残っているものは昔の誂えもので片刃に仕上げています。

蕎麦を打つ時には”こま板”を当てて切るので片刃、それを使わず”こま”のかわりに手を添えて切るうどんは両刃が一般的とされています。
(江戸流ではうどん切でも片刃でこま板を使用する場合があり、当店に現存するものはそれに当たります。)

ご家庭で蕎麦やうどんを打ってみたいが専用の包丁まで揃えるのは、、、
という方にはほかのことと兼用できる”菜切包丁”の8寸ほどの長さのものもおすすめしています。

本職様向けの蕎麦切は長さや重量などお好みが様々なため、重心をどこへ持っていくかなどの詳細までをご相談のうえ、誂えで造らせていただくことがほとんどです。
一方、ご家庭で蕎麦打ちを、というお客様向けには標準的とされる長さ、厚み、バランスのものをご用意しております。

↑ステンレス製で扱いやすい商品です。

柄もご自身で紐やサラシを巻いたり、鮫皮を巻いた専用のさし柄や、今では洋式の柄のタイプまで様々です。

柄の形状が様々なのは持ちやすさや重心の微妙な調整があるためで、これら全てがあわさって使い手の方に馴染む蕎麦切包丁が完成します。

当店では蕎麦切包丁、うどん切包丁などの”研ぎ・修理”も承っております。
「刃を薄く」や「刃道を真っ直ぐに」など細かいご要望にもご対応しております。
(※洋式タイプの柄の蕎麦切を研ぐ場合は、柄を外せる事が重要な条件になります。)

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使い勝手が良くなくなってしまった包丁でも一度きちんと直しに出されると、切れ味や使い心地が回復し、永くお使いいただけます。
是非ご用命下さい。