東京築地の老舗包丁店 東源正久

Maintenanceお手入れについて

お試しください鋼の包丁のお手入れ

包丁を錆から守るためのお手入れの基本についてのご案内です。
湿気が多くじめじめとする梅雨時などには包丁に錆びが生じやすいため、普段のお手入れにもご注意頂きたいところです。
必要に応じてご参考にしていただければと思います。

1. お料理中もこまめに包丁を拭く

まず鋼の包丁に錆が生じる原因として、食材に含まれる水分、酸、塩分、アクなどが挙げられます。
そのためお料理中にもキッチンペーパーやタオル、フキンなどでこまめに水気をよく拭き取ることが重要です。
キッチンペーパーや薄いタオル、布巾をお使いの際は万が一それが切れて怪我をしてしまわないように何枚かに重ねるか、畳んで厚くしてお使いください。
アクの強い野菜、柑橘系の果物のように酸の強い食材、塩分を多く含んだ食材などを切った後は、包丁を一度洗ってから拭きましょう。

包丁の拭き方

峰側と刃側とに分けると拭き残しなく安全に拭くことができます。

包丁の拭き方
包丁の拭き方

峰側を拭く際は、写真のように元から先に向かって拭きます。
この時にタオル等が刃で切れてしまったり、アゴ(赤色の丸印の部分)に引っかからないよう、深く掴み過ぎないように注意してください。
※包丁は元の幅が広く先の幅が狭い形が多く先から元(矢印とは逆方向)へ向かって拭くとタオル等が切れやすく、怪我をしてしまう原因となりますのでご注意ください。

包丁の拭き方
包丁の拭き方

刃側を拭く際は特に怪我をしないようご注意ください。
刃を軽く掴み、刃に対して垂直方向へ引き抜くように元から先まで何回かに分けてまんべんなく拭くと安全です。

2. 包丁を洗ったらすぐに水を拭き取る

中性洗剤を使用し食器洗い用のスポンジの柔らかい面で全体をよく清潔に洗ってください。
仕上げに包丁全体に熱湯をサッとかけると滅菌と速乾に効果的ですのでお勧めしています。
洗い終わったらすぐに乾いたタオルなどで水気をよく拭き取りましょう。
また、柄に染み込んだ水分によって柄と刃の間から錆が生じすることがありますので包丁をしまう前には柄までしっかりと乾かしてください。

包丁の峰側から拭く様子

特に和包丁の場合は柄の付け根の部分に水が染み込み、そこから錆が生じやすいためしっかりと乾燥させてからしまうようにしましょう。
また、破損等の原因となりますので食洗機のご使用は避けてください。
※乾かすために刃を火で炙るなど極端に熱してしまうと、包丁本来の焼きが戻り劣化してしまう場合がありますので絶対にしないでください。

3. 数日使わない場合は油を塗る

水気を拭き取りよく乾かした後、刃に油を塗ることでより錆びにくくなります。
油を塗ることで湿気や汚れが刃に触れにくくなくなるため、保管中の錆などを防ぐことが出来ます

油の塗り方

油を塗る様子

ご家庭でよく使われる三徳包丁ですと2〜3滴ほどで刃全体に塗ることができます。

油を塗る様子

キッチンペーパーなどで刃全体に刷り込むように油を塗ります。
この時刃が浮いて怪我をしてしまわないよう机などにピッタリと刃を押し当てながら元から先に向かって拭きましょう。
裏(反対側)にも同じように油を塗ります。

油を塗る様子

鋼の洋包丁の場合、鍔も錆びることがありますので鍔にも油を塗りましょう。

ご使用に適した油
  • 刃物用の椿油
  • 食用の植物性油(火の通っていない、ご使用前のもの)など

鋼の包丁は刃に油の色や匂いが移りやすいため、上記のようななるべく色や匂いの少ない油をお勧めしております。

×ご使用に適さない油
  • 機械用の錆止め油
  • 動物性油
  • お料理で一度使用された後の油など

食品を扱うものですので、口に入れて害のない油を使用してください。
柄に油が付くと変色の原因となりますのでご注意ください。

4. 刃を新聞紙で包んで保管する

油を塗る様子

新聞紙で写真のように刃全体を覆うよう包み、湿気の少ない場所で保管してください。
紙は湿気から刃を守り、また他の食器類などとぶつかって傷をつけたり刃が欠けたりしてしまわないためにも新聞紙で刃を包んで保管しましょう。
写真では例として洋包丁を包んでいますが、和包丁も同様に新聞紙で包むことができます。
紙の内側が汚れたり湿っていたりしていると包丁が傷む原因となりますのでたまに包んでいる紙を取り替えることをお勧めします。
※木の鞘や、布製のタオルやさらしなどで包んだまま長期間保管してしまうと湿気が篭り、包丁に錆が生じる原因となりますのでご注意ください。

以上が鋼の包丁のお手入れの基本になります。
特にこまめに水気を拭き取る・何日も使用しない場合は油を塗る・新聞紙で包んで保管する、この3点をしっかりと抑えることで湿気の多い時期でも錆びずに鋼の包丁をお使いいただけます。
また錆に強い「ステンレス鋼」の包丁も鋼の包丁同様にお手入れをするとより永くお使いいただくことができます。
どうしても錆びてしまうといった場合や錆が出てしまい対処に困った際はぜひお気軽にご相談ください。

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