- COLUMN2021.06.07
鱧(ハモ)の骨切り専用の「鱧切包丁」
初夏を彩る数々の食材のなかでも特に栄養満点で滋味にあふれる鱧は、昔から京都の夏を代表する関西の魚です。
近年では流通の発達などにより関東でも、また和食にとどまらず中華、フレンチ、イタリアンなど多ジャンルの料理にも重用されているので、皆様のお目に触れる機会も多くなっていると思います。
※写真は、別誂え本焼の鱧切包丁です。
鱧の下処理は普通の魚同様、出刃類で卸したあと専用の「鱧切包丁」を用いて調理します。
鱧切包丁が「骨切り包丁」とも呼ばれるのは、その仕事に特化した造りになっているからです。鱧の下拵えは、小骨が気にならないように細かく包丁を入れること、皮一枚を残して切ることが肝要で、包丁を入れる角度と回数により口当たりに大きな差が出る繊細な仕事のため熟練の技を要すると云われ、その仕事はまさに職人技の見せ所です。
その仕事に特化した包丁のため、刃先を細らせず切っ先にも重みを出しその重みを利用して余計な力を入れずに骨切りすることができるような造りになっています。
当店では固い小骨に当たっても刃こぼれしにくいよう丹念な鍛造によりコシ(耐久性)と粘り(欠けにくさ)を出し、関東らしく硬みを強く仕上げています。
また、同じ型、同じ鋼材でも刃付けの加減で切れ味や刃持ちが変わってきます。
鱧切は、どうしても「骨を切る」ということに使う包丁なので刃をなるべく欠けさせないよう加減しますが、職人さんによって包丁を入れる角度、寝かせ方が違うため、お使いになる方がしっくりくるように微妙な調整をしながら本刃付けをして仕上げます。
ご家庭ではまず扱うことのない特殊な包丁ですが、鱧を召し上がる折りに和食の調理に欠かせない仕事を支えている特別な和包丁があることをお見知りおき頂きたいと思い、ご紹介させていただきます。
当店の「鱧切包丁」
青一:水牛口八角朴柄 白二:水牛口栗型朴柄
商品詳細
- 造り:本霞
- 鋼材:白紙二号鋼、青紙一号鋼
- 長さ:8寸(240㎜)〜尺一(330㎜)
- 金額:
白二 | 青一 | |
8寸 | 41,000円 | 64,000円 |
9寸 | 47,000円 | 66,000円 |
尺 | 57,000円 | 80,000円 |
尺一 | 72,000円 | 98,000円 |
※令和3年6月現在価格(税込)
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※刃付けの加減など何かご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。
包丁の「研ぎ・修理」も随時受け付けております。
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